本文へ移動
公益社団法人山梨県獣医師会
〒400-0858
山梨県甲府市相生2丁目15-12
TEL.055-226-3505
FAX.055-226-3942
0
2
5
9
2
6

公益社団法人山梨県獣医師会からのお知らせ

トピックス第2号(フィラリアについて)
2016-07-20
今回はフィラリア(犬糸状虫症)についてのお話です。
(ノア動物病院の林先生)
 フィラリアは、犬糸状虫症(いぬしじょうちゅうしょう)とも呼ばれている、
犬の心臓にそうめん状の寄生虫が寄生し、死に至る危険もある病気のことです。
近年では、ほとんどの方が犬にこの病気の予防されているので有名ですが、
実は猫にも感染するのです。
 
「どんな病気?」
すでにフィラリアに感染している犬の血液を蚊が吸い、その血液の中にいる
フィラリアの子虫が蚊の体の中で感染能力のある子虫まで成長します。
次にこの蚊がまたフィラリアに感染していない犬の血を吸ったときに蚊の
体の中にいた感染能力のある子虫は、感染していない犬の体の中に入り込みます。
 
犬の体の中に入った子虫は、犬の皮膚から筋肉までを2~3ヶ月の時間をかけて
成長しながら進んでいき、犬の血管まで到達した子虫は、今度は血管の中に入り
込みます。そして血液にのって犬の体中に移動しながら成虫に成長していきます。
最終的にフィラリアの成虫は犬の心臓や肺にたどり着き、そこを寄生場所とし、
子虫を産んでいきます。
 
「感染したらどうなるの?」
 みられる主な症状
・咳
・運動をいやがる
・食事を食べているのに痩せてくる
・貧血
・お腹が膨れる(腹水)
・おしっこが赤くなる
などが主にみられる症状です。特におしっこが赤くなった
場合は緊急手術が必要になります。
 
「どうしたら防げるの?」
フィラリアの感染を防ぐ一番の方法は"予防"です。
蚊に吸血され、犬の体の中に入ったフィラリアの子虫が血管や心臓に
行く前までのに、子虫を殺滅することが予防につながります。
フィラリアの子虫が血液、心臓に到達するまでの期間は
感染後おおよそ2ヶ月から2ヶ月半ともいわれています。
この期間に動物病院でフィラリア予防薬をもらい、飲ませることが必要です。
 フィラリアの予防薬は蚊に刺されることを防ぐわけではなく、この子虫を
殺滅するための薬なのです。
予防時期は地域により若干の違いはありますが5月から12月まで、
地域によっては一年中の場所もあります。
蚊が発生し始めた1ヶ月後から蚊の発生がなくなって1ヶ月後まで投与が
必要なため、5月から12月(地域によって異なる)の時期になります。
 
フィラリアの予防薬は現在、ネット販売などで手軽に安く購入することが出来ます。
しかし、前述のようにフィラリア予防薬=フィラリアの子虫を殺滅する薬です。
もし、犬の体の中にフィラリアの子虫がいることに気づかずに薬を投与した場合、
死に至るほどの重篤な副作用の起こる危険があります。
そのため、フィラリアの予防を始める前にはフィラリアに感染していないことを
検査で確認してください。
必ず、近隣の動物病院で診察、血液検査を受け、獣医師の指示通りの投薬を
行ってください。
TOPへ戻る