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公益社団法人山梨県獣医師会
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公益社団法人山梨県獣医師会からのお知らせ

トピックス第1号(狂犬病について)
2016-07-13
HPをオープンしてから半年以上になりますが、
遅くなりましたが今月から順次トピックスを出していきま~す。
まず第一回は、部会長でありますノア動物病院の林先生からです。
いつ日本で発生しておかしくない狂犬病ついてのお話です。
 
狂犬病予防接種は、狂犬病の発生を予防するだけでなく、まん延を防止、撲滅するために
「狂犬病予防法」という法律で接種が義務付けられいます。
 
「接種時期は?」
接種は生後3カ月以上の全ての犬に年一回の接種が義務付けられています。
接種と同時に各市町村に犬の登録を行われなければいけません。
(登録は一生に一回だけです。)
 
「どんな病気?」
狂犬病に感染した動物に咬まれ、狂犬病ウィルスがヒトに侵入すると、ウィルスは一日に
数cm以下の速度で神経を伝わり脳まで達し、致命的な脳炎を起こします。
感染は咬まれること以外にも、以前にできた傷をなめること、コウモリのいる洞窟内に漂っ
ているウィルスを吸入すること(アメリカでの感染はこれが多い)、感染動物の死体を扱う
時に出る組織粉を吸入することなどでも発生します。
また、脳炎で死亡したヒトから摘出した角膜の移植を受けた感染した例もあります。
 
狂犬病ウィルスに感染してヒトへの伝搬する動物は、野良犬、猫、猿、狼、アライグマ、
ジャッカル、キツネ、齧歯類(ネズミ、リスなど)、コウモリなどが主ですが、全ての
哺乳動物が感染源になります。
 
狂犬病は日本以外の国々ではまだまだ発生が見られ、それによって死亡してしまう病気です。
 
「狂犬病に感染したらどうなるの?」
狂犬病ウィルスの体内への侵入により、一定の痙攣などの重い症状を起こす致死性の疾患です。
治療法もなく、発症後3~5日で100%死亡します。
 
日本では1957年以降、狂犬病の感染はないため、通常では狂犬病の予防処置は必要あ
りません。しかし、最近では2006年にフィリピンでイヌに咬まれて帰国後に発症し死亡
した報告があり、次のような場合には予防が必要となります。
(1)狂犬病の流行地域に生息する予防接種をしていない動物に咬まれた時
(2)狂犬病の流行地域へ行き、野生の動物に接触する機会がある場合
このような場合は、あらかじめ人間への予防接種が必要です。
近年は犬や猫を連れて海外に住んだりすることも多くなり、犬猫の国外への移動は、
狂犬病感染のリスクも大きくなるため、日本では特に厳しい手続きが必要ですので、
海外へ犬猫を連れて行かれる方は、外務省のホームページを参考して下さい。
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